金巻勲
Isao Kanemaki


今回の試み「TEST」は、正確に言えばパフォーマンスではありません。身体表現と音楽で構成された日常の時間です。西口公園というパブリックスペースと時間のなかで生まれる、人々の意識や関係性そのものです。
8時間にわたり、この作品は個々に構成されていきます。
4名の演者(3名のサウンドアーティストと1名の振付家)は、ハーモニーや対立、無音など状況の移り変わりに意識をしながら、互いに強い関係性を持っています。
彼らはその場の状況や人々の反応に応じて、即興的にダンスや音楽を構成していきます。
公園内の様々な要素が新たな動きや音を引き出したり、空間上の人や物の気配を意識したり、目に入った動きや聞こえてくる音を模倣してみたりします。
しかし、パブリックスペース内で起こりうるどのような結果や出会いに対しても自由な気持ちで待ちかまえています。
ダンスや音楽をパブリックスペースに持ち込むことによって、そこは予測不可能な場所になるでしょう。
また、日常的な会話とパフォーマンスの間には、どれほど違った可能性があるでしょうか。
今回の試みは「本番」を見せようとするものではなく、一番のチャレンジは、パブリックスペースにある様々な身体や音の存在のあり方をいかに誘導、試行できるかということです。
「TEST」は、特別な存在をパブリックスペースに置くことによって、私たちの日常の中にある関係性を再構築しようとする試みです。
初めての日本での生活の中、エミリアは、記憶やダンス、記録について観察し思考を重ねてきました。
「TEST」は、松戸や東京で過ごした11日間の日々や感動を、ダンサーとしての生きてきた彼女の身体を触媒として現前させようという試みなのです。
2016.04.21





