
《夢見る革命》Alicja Rogalska,Dreamed Revolution, 2014-2015, performance, video
PARADISE AIR × 千葉県立美術館 共同企画を初開催!
このコラボレーションは、ふたつの広がりを目指して行われます。
①時代の広がり
近代美術を中心にコレクションを行う千葉県立美術館と、若い現代美術作家を多く受け入れるPARADISE AIR が千葉県立美術館にて共同企画を行うことで、県民により幅広い時代のアートと接する機会を提供します。
②地域の広がり
千葉市( 千葉県立美術館) と松戸市(PARADISE AIR) それぞれの拠点から、相互にこの活動を広げ協働することで、千葉県内での芸術文化機運の発展と、アートをきっかけとした千葉全体の魅力の拡充を目指します。
共同企画の第一弾は、LONGSTAY Program2018にて招へいされ、現在PARADISE AIRに滞在中のアーティスト アリシヤ ・ ロガルスカ(ポーランド)による展示です。

《ブロニュフ・ソング》Alicja Rogalska,Broniow Song,2012, contemporary folk song, video
社会科学、哲学、文化人類学を教育的背景にもつアリシヤ・ロガルスカ。彼女の作品に通底するのは、社会の違和をとらえる鋭敏な感覚です。彼女が試みるのは、現代社会が抱える不透明な問題に対する「オルタナティブな解」を探し出し、資本主義「後」の可能な未来のシナリオを描き出すことです。その「未来」の景色とはどのようなものでしょうか。
《夢見る革命 Dreamed Revolution》(2014-15 年)は、その一つのかたちを想像する実験的なパフォーマンスの記録です。ポーランドの劇場に地元の活動家 100 人が集められ、暗く、重々しい雰囲気の漂う舞台上で催眠術にかけられます。催眠術は彼らの意識を集中させるだけでなく、それまでに学んだ思考の弊害を取り除くことに利用されました。本作品が映し出すのは、催眠状態にある活動家が、普段言えないこと、行わないことを考えながら現在に代わる未来の一つのかたちを想像していく姿です。 本展覧会では、他に、ポーランド北東部のある田舎町の社会的経済的状況を民謡のメロディにのせてユーモラスに歌う《ブロニュフ・ソング Broniow Song》(2012 年)、淡く緩やかに動く光や波をとらえた《キアロスクーロ・シティ・シリーズ Chiaroscuro City Series》(2011 年)などの映像作品も併せて展示します。ロガルスカの現代を見つめる鋭い視線と、多岐にわたる関心をお楽しみください。
千葉県立美術館メッセージ
千葉県立美術館は同県在住の美術作家たちの発表・活動の場としての役割を期待され、1974 年に開館し、まもなく45 周年を迎えようとしています。半世紀近いときを経て、美術館が持つ役割は時代の要請も受けながら変容し、今に至っています。これからの県立美術館の役割を考えるとき、地域におけるコミュニティの形成や、世界と地域をつなぐ活動は重要な役割となるでしょう。松戸という地域に根をおろし、国際的なアーティスト・ イン・レジデンスとして活動してきた PARADISE AIRと県立美術館との協働は、こうした役割をすでに積極的に担ってきた彼らに学び、公共の場である県立美術館の役割を拡充していくための初めの一歩です。例えば、 国際的に活躍する現代作家を紹介したり、「千葉みなと」という地域の魅力を発見したり、多様な来館者と交流 したり、さまざまな可能性に満ちています。 アリシヤ・ロガルスカは、文化人類的見地に立ち、現代社会が持つ厳しい課題を扱いながらも「未来」へまなざしを向ける作家です。彼女の展覧会を皮切りに PARADISE AIRと始める新たな試みを通して、県立美術館が持つ役割を更新し、これからの社会で真に必要とされる活動を行っていきたいと考えています。
「アリシヤ ・ ロガルスカ: 闇に唄えば」
会期:2018年11月20日(火)~12月2日(日) ※月曜休館
時間:9:00 – 16:30
会場:千葉県立美術館 第 7 展示室
住所:千葉市中央区中央港 1-10-1
入場料:無料
主催:千葉県立美術館、一般社団法人 PAIR
協力:長谷川新
[アーティスト・イン・レジデンス事業 ]
助成:松戸市、文化庁(平成 30 年度文化芸術創造拠点形成事業)
特別協力:株式会社浜友商事
DATE: 20th, Nov – 2nd, Dec 2018 *Closed on Monday
TIME: 9:00 – 16:30
VENUE: Chiba Prefectural Museum of Art
ADDRESS: 1-10-1, Chuoh Minato, Chuoh-ku, Chiba city
ADMISSION: Free
About Chiba Prefectural Museum of art: http://www2.chiba-muse.or.jp/www/ART/contents/1520270199902/index.html