カミール・タタラ
Kamil Tatara
2018.08


会期:2018年8月25日(土)〜9月9日(日)
会場:MAD City Gallery
主催:PARADISE AIR
共催:MAD City/株式会社まちづクリエイティブ
協力:文化庁(平成30年度 文化芸術創造拠点形成事業)、松戸市
作品について:
このプロジェクトのもともとの目的は、かつて江戸と水戸とを繋いでいた水戸街道が、現在どのような姿になっているかを探ることでした。水戸街道沿いにある20の宿場町をそれぞれ歩いて訪れることは可能なのか。そしてそれはどのような経験となり、どのように変化していて、その街道はかつての面影を残しているのでしょうか。かつて多くの旅人が歩いたであろうこの水戸街道は、私がPARADISE AIRに滞在している間の研究と芸術的な探求の対象となりました。かつての松戸では、宿代の代わりに芸術作品を残していったという逸話が残っているそうです。このエピソードが今回のプロジェクトを始めるきっかけにもなりました。
今回の作品は、日本の浮世絵やアニメーション制作で使用されるセル画の手法を参照し、アクリル絵具と透明なシートを用いて制作しています。まず、それぞれの宿場町を訪れ、撮影した写真をもとにその風景をイメージへと変換していきます。色は、これまでのGMCC(Google Maps Color Code)と呼ばれる作品のシリーズで用いてきたように、Google Mapsに使われているカラーパレットを基本とし、日中/夜間モードを切り替えたり、色合いに変化をつけたりすることで、風景にあわせて調整します。この作品のシリーズでは、Google Map上の道や川、緑地などの色をカラーパレットとして使用しています。
今回の作品のもととなる撮影では、5日にわけてそれぞれの宿場町を歩き、その土地ごとの様々な雰囲気を感じ取りました。合計すると歩いた距離は約120kmになります。国道6号線がかつての水戸街道に沿って伸びていますが、まったく同じ道というわけではありません。かつての水戸街道を歩くと、いくつか石碑が残っていたり、古民家や小さなお寺が並んでおり、そこでしばしの休憩を取ることができます。結論としては、現在でも水戸街道を歩くことは可能です。しかしながら現代では自然とガソリンスタンドやマクドナルドがかつての宿場町としての機能を果たしています。アーティストにとって水戸街道はもはや歩きやすい道のりではありませんでしたが、もはやそうである必要はないでしょう。
プロフィール:
カミール・タタラ|Kamil Tatara
1981年生まれ、シュチェブジェシン(ポーランド南東部)出身。トルン(ポーランド中北部)のニコラウス・コペルニクス大学にて美術を学び、2006年にドローイング・メディアの修士号を取得。近年ではペインティングやドローイングなどの芸術らしい形態を用いた作品制作が主。映像やインスタレーション、オブジェなども表現方法の一つとして取り入れる。アーティストであることを終わりのない調査・研究と捉える。これまでに韓国(ソウル)、イギリス(バーミンガム、ロンドン)、ドイツ(ゲルリッツ)、ポーランド(クラクフ、ポズナン)にて作品を展示。
http://www.tatarakamil.com/
2018.08.22