パヴェル・ヅィエミアン
Pawel Dziemian
2014.01 - 2014.03


CROSS STAY Programはロングステイとショートステイを同時期に関連させながら開催し、芸術家同士、芸術家と地域住民のより活発な交流を促すことを目的にした交流プログラムです。今回の後期ロングステイプログラムの公募では、「HEAR:聞く」をテーマに掲げ、世界各地から62名ものアーティストの応募が集まりました。厳正な審査の結果、ポーランド人芸術家パヴェル・ヅィエミアン(30歳、ポーラ ンド国籍、ロンドン在住)が選出されました。
千葉県松戸市は、福島第一原子力発電所事故以降、ホットスポットとして報道され、官民双方がその解決に取り組んできました。震災から3年という節目のこの時期に、パヴェル・ヅィエミアンは松戸市民(特に高齢者や子供)に向けてヒアリングを行い、地域が抱える状況を踏まえて作品制作に取り組みました。そのリサーチ活動の一環として、東北地方で活動する日本人芸術家・学芸員・建築家らをショートステイとして招き、公開ヒアリングや、原発事故後の福島を記録した映画上映会なども行いました。これにより、ポーランドと日本の国際的な文化交流を生み出すだけでなく、震災についてもう一度考え、私たちの暮らしを見つめ直す機会を作ることができました。
公募テーマ:HEAR
公募期間:2013年10月25日[金]〜11月25日[月]
招聘期間:2014年1月24日[金]から3月12日[水]
応募者総数:62組
審査員:毛利嘉孝(東京芸術大学准教授)、住友文彦(アーツ前橋館長)
<審査員より>
Pawel Dziemianは、日常的に見慣れている普通の風景の中に異様さを嗅ぎとり、その異様さを自らの行為によって際立たせることで作品をつくるポーランド出身のアーティストである。「作品をつくる」というよりも、都市や視覚に「介入する」というべきかもしれない。その彼が松戸で何を見つけるのか。楽しみだ。
毛利嘉孝(社会学者/東京芸術大学准教授)
初めての公募にもかかわらず、現在の美術界の縮図のように多種多様な地域から興味深い応募があった。そのなかでもPawel Dziemianは、異なる文化の間をまたがるトピックを拾い出す提案で目をひいた。西欧とも異なるアートの文脈で注目されているポーランドの若手世代のアーティストが国内で何を見出して、制作するのか楽しみにしている。PARADISE AIRも新しいまちづくりのモデル作りからはじまった事業で、杓子定規的な地域振興とは一線を画す自由な雰囲気に溢れている。新しい試みを期待したい。
住友文彦(キュレーター/アーツ前橋館長)
<PARADISE AIR 審査員プロフィール>
毛利嘉孝(社会学者/東京芸術大学准教授)
社会学者・東京藝術大学准教授。1963年生。専門は文化研究、メディア研究。メディアや都市大衆文化、現代美術、社会運動などの広く批評活動を行っている。京都大学卒業。ロンドン大学でMAとPh.D.取得。九州大学助手、助教授を経た後現職。著書に『ストリートの思想』(NHK出版)、『はじめてのDiY 』(ブルース・インターアクションズ)、『ポピュラー音楽と資本主義』(せりか書房)、『文化=政治』(月曜社)など。NPO法人アートインスチチュート北九州理事。
住友文彦(キュレーター/アーツ前橋館長)
1971年生まれ。NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ(AIT)副理事。東京都現代美術館などに勤務し、横浜国際映像祭2009のディレクター、メディアシティソウル2010(ソウル市美術館)の共同キュレーターをつとめる。戦後のアーティストたちが実験的に取り組んだアートとテクノロジーの融合を取り上げた「Possible Futures:アート&テクノロジー過去と未来」展(ICC/東京/2005)、「川俣正[通路]」(東京都現代美術館/東京/2008)]などを企画。
2014.04.26